気になる話題をアンケートで掘り下げる「子育てリサーチ」。今回のテーマはコロナ禍での運動会の状況について、無料通信アプリLINEの「はぐくもっと」登録者に聞いた。一部ではスポーツ大会に代わったところもあるが、中止になったと答えた人はいなかった。小学校や幼稚園・保育園では、コロナ禍でも子どもたちに思い出を残そうと運動会を実施したようだ。

アンケートは10月19~21日に実施し、小学生までの子どもを持つ61人が回答した。未就学児で運動会がもともとない一人を除き、97%の人が「運動会をやった(やる予定)」と答え、3%の人が「(小学校は)スポーツ大会に変わった」という。
コロナ禍での運動会とあって、感染予防策が求められる。97%の人が何らかの対策が取られたと回答。最も多かったのが「見学者の制限」。「見学禁止」も合わせると95%の人が学校、幼稚園・保育園で見学者を減らす取り組みが行われたという。制限で「親一人しか見られなかった」「祖父母が見られず残念だった」という声があったが、見学者が少ないことで「場所取りをしなくて済んだ」「ビデオや写真撮影がしやすくなった」「密にならなかった」とプラスに考える人もいた。
また、83%が「午前のみの開催」と答え、高い割合で恒例のお弁当持参はなくなり、短縮して運動会が行われている様子。親子競技を中止するなど種目を減らして時間を短くしたようだ。
小学校と幼稚園・保育園の対応で大きく分かれたのが「テント・レジャーシートの使用制限」。小学生がいる回答者のうち63%があったと答え、幼稚園・保育園を32ポイント上回った。一方、「見学禁止」は幼稚園・保育園で10%の人があったと答えたが、小学校ではゼロだった。
今年はいつもとは異なる運動会となったが、お弁当作りや場所取りをしなくて済んだことをメリットと捉える人が多く、コロナ禍によって新しい形の運動会が生まれそうだ。

コロナ禍での運動会
幼稚園・保育園編
「撮影ポイントも密にならないように、ぐるりと囲む形になり、ゆったりと見ることができた」
(宇都宮市、40歳)
「平日子どものみで開催になり後日、当日の様子をDVDで頂けるとのこと。当日見学できませんでしたが、遠方に住む祖父母にDVDを送ってあげるなど家族で思い出の共有ができるのでうれしいです」
(佐野市、33歳)
「年少未満の園児は参加も連れていくこともできず、下の子の活躍が見られなくて残念」
(矢板市、35歳)
「リスクはゼロにはなりませんが、可能な限り実施してくれた方が子どもの成長におけるメリットは大きいと思いました」
(日光市、38歳)
「お弁当なしの運動会とはこんなに楽しみなものなのかと実感しました。1週間前から買い物に気を使い、計画を立て、前日から下ごしらえ、当日は早起きして子どもの準備と並行してバタバタ…。夫の協力が仰げないわが家では大変ありがたかったです」
(下野市、33歳)
「本当に必要な種目だけに絞られたので、それはそれで良かったです。コロナが出てしまうことを考えると、リスクがある中での運動会は少し怖いですが…」
(壬生町、35歳)
「子供の成長を楽しみにしている祖父母が、運動会を楽しみにしていたため残念がっていた」
(宇都宮市、48歳)
小学生編
「短時間、学年別の開催だったので、子どもたちは一つ一つの競技に集中でき、観覧者は密にならずビデオや写真撮影も容易にできた」
(佐野市、34歳)
「低学年だから運動会に必死で盛り上がりがなく、あっという間に終わりちょっと物足りなさもありました。ただ、ドローンを使って撮影して配信していた学校もあるとか。それぞれ工夫して、ある意味アットホームな運動会になった気がします」
(栃木市、42歳)
「午前中で終了したため、楽しみの一つのお弁当が無く寂しい運動会でした」
(宇都宮市、36歳)
「高学年の児童が、例年保護者が担当することなどを引き受けてくれました。そのため、児童がほぼ出ずっぱり状態。保護者の役割や準備への関わり方を検討して、児童ができるだけ競技に専念できるようにしてほしいと思いました」
(市貝町、41歳)
「ソーシャルディスタンスのため子どもたちの間隔が広く、わが子を見つけやすかった」
(さくら市、46歳)
「テントなどを用意せず、荷物が少なくて楽だった。場所取りもなく、お弁当もお菓子配りもなく負担が少なくて良かった」
(下野市、42歳)
「思い出になる運動会が簡素化され子供たちにとっては悲しくてかわいそうだけど、時間をつくりにくい職場で働く親にとってはありがたかった」
(小山市、34歳)