宇都宮市内の病院で同意なく強制採尿された違法収集証拠により刑事裁判で有罪になったとして、覚せい剤取締法違反罪で勾留中の男が国立病院機構と県に約330万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、宇都宮地裁(今井攻(いまいおさむ)裁判官)で開かれた。被告側は請求棄却を求め、争う構えを見せた。県警は「強制採尿を病院に依頼した事実はない」などと主張している。

 訴状などによると、男は3月19日早朝、国立病院機構宇都宮病院に搬送された際、覚醒剤使用の疑いがあるとして、宇都宮東署の依頼を受けた医師により同意がないまま強制採尿されたという。その後、尿から覚醒剤の陽性反応が出て、男は覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され、宇都宮地裁の刑事裁判で尿の鑑定書などの証拠により5月、有罪判決を言い渡された。

 男の申し出を受けた刑事裁判の弁護人が、病院側に採尿の経緯などを質問。病院側は8月末、同署の依頼があったことを認め同意を得ずに採尿したとする回答書を提出したという。