音楽に合わせて華麗に打ち上げられるツインリンクもてぎの花火(ツインリンクもてぎ提供)

音楽に合わせて華麗に打ち上げられるツインリンクもてぎの花火(ツインリンクもてぎ提供)

音楽に合わせて華麗に打ち上げられるツインリンクもてぎの花火(ツインリンクもてぎ提供) 音楽に合わせて華麗に打ち上げられるツインリンクもてぎの花火(ツインリンクもてぎ提供)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各地の花火大会が中止に追い込まれる中、栃木県茂木町桧山の「ツインリンクもてぎ(TRM)」が1月2日、恒例の花火イベントを開催する。常設の閉鎖空間がある利点を生かし、前後左右の間隔を空けて密を避けた「全席指定」での観覧となる。苦境が続く花火師にとっても久々の大舞台だ。

 「やると言ってくれたときは、本当にうれしかった」。花火の打ち上げを担当する群馬県高崎市本郷町、菊屋小幡花火店の5代目小幡知明(おばたとしあき)社長(43)の声は明るい。

 全国の花火大会で数々の受賞歴がある1872年創業の老舗花火店も、今年2月に高崎市で打ち上げて以降、客を集める花火大会から遠ざかり、4月20日から休業状態が続いている。全国の大半の業者が売り上げは前年の1割程度という。

 一般に感染防止策を取りにくいとされる花火大会をTRMが「開催可能」と判断したのは、すり鉢状の国際レーシングコースの観覧席に客を入れる劇場型だからだ。全席指定か観覧席指定で客の前後左右の間隔を空けることが可能で、密を避けても前回並みの9千人程度は入場可能という。入場時に検温や手指消毒も行う。

 今夏の花火イベント開催を見送ったTRM側も新型コロナの影響で運営に大きな痛手を負っている。「やるからには人を呼びたいと思うが、批判がありはしないかと考えた」と大々的な宣伝を控えての開催だ。小幡社長も「感染に注意は必要なので、ぜひ見に来てと言えないはがゆさはある」と打ち明ける。

 TRMで20年以上花火を上げる小幡さんは「広大で観覧席があり、音響も快適。設備も整った最高の打ち上げ場所」という。久々のイベントに向けて生産を一部再開し、大きな「尺玉」を含めた花火の準備を進めている。「花火を見る喜びの中に、厳しい状況の中でも頑張ろうというメッセージを届けたい」と話した。