じゃがバター

舘田岩次郎さん

じゃがバター 舘田岩次郎さん

 湯気の立つジャガイモに箸を入れると、じゅわっとバターが染み込んでいく。

 口の中でとろけるような軟らかさと甘みが広がり、ほのかな塩味が追い掛けてくる。常連客のほとんどが必ず注文するという人気ぶりがうなずける逸品だ。

 大田原市中心市街地の奥まった路地にある「北海道料理 積丹(しゃこたん)」。店主の舘田岩次郎(たてだいわじろう)さん(73)=須佐木=が「幼い頃に過ごした北海道の味を届けたい」と、妻路子(みちこ)さん(71)の実家のある同市へ1985年に店を構え、34年になる。

 料理長は、東京・赤坂の会員制日本料理店で修業した長男の光宏(みつひろ)さん(48)。肉厚のホッケやホタテ、刺し身…。素材選びからこだわった料理は、どれも納得のうまさだが、じゃがバター(税別500円)は脇役に収まらない存在感がある。

 北海道の指定農園から取り寄せるジャガイモは、今は帯広産。「その時に一番いい物」を選ぶため、産地も変わる。たっぷり30分かけて仕上げるので、常連は来店と同時に注文する。絶妙のほくほく感は「火加減」がポイントだという。

 「お客さんとの会話も味のうち」と舘田さん。夜は、地元須佐木にある渡辺酒造の地酒「旭興」が北の味を一層引き立ててくれる。 

 ◆メモ 中落ち丼や豚丼などがある平日のランチは800円から▽大田原市中央1の7の5▽営業時間 午前11時半~午後1時、午後5時半~11時▽定休日 日曜▽(問)0287・23・7363。