地元説明会であいさつする浅野市長

 【小山】2015年の関東・東北豪雨と昨年の台風19号で大規模な浸水被害が発生した豊穂川流域で、市が進める五つの排水強化対策事業によって、約8割の減災効果が見込まれることが12日、分かった。25年度までに目指す全事業完了後に関東・東北豪雨級の雨が降った場合を浸水量ベースで検証した。市は同日、住民を対象にした地元説明会を市文化センターで開いた。

 5事業は(1)豊穂川の河川拡幅と築堤(2)小山栃木排水路の放水路新設(3)立木排水路の調整池新設(4)大行寺地区の雨水ポンプ場設置などの下水道整備(5)豪雨時に雨水を一時的にためる「田んぼダム」の整備-。田んぼダムは周辺農家との調整に時間を要しており、来年度中の整備完了から計画が後ろ倒しになる。

 市の検証によると、事業完了後に関東・東北豪雨級の雨が降った場合の浸水量は約67万トンと試算される。減災効果は、関東・東北豪雨時の約392万トンから約8割減となる見込みだ。

 浸水が想定されるのは、思川との合流点に近い大行寺の低地の市街地への約0・7トン。残りは小山栃木、立木の両排水路周辺の水田に流れ込むと試算する。

 説明会は、市が年1回程度開いている。今回は対象6自治会の住民ら約100人が参加した。市側は浅野正富(あさのまさとみ)市長や古川幸一(ふるかわこういち)建設水道部長ら15人が出席し、事業内容や検証結果を説明した。

 参加者からは事業完了の前倒しの要望や、田んぼダムの進展を心配する声が相次いだ。参加した70代女性は「効果があるのは分かった。改めて気を引き締めたい」と話した。浅野市長は「最新の情報を提供していきたい」と、今後地元の要望があった場合などに適宜説明会を開いていくとの認識を示した。