長時間マスクで頭痛の発生

大林克巳医師

長時間マスクで頭痛の発生 大林克巳医師

 重症の場合、日常生活に支障をきたすこともある頭痛。最近は新型コロナウイルス感染拡大の影響でマスクを着用することが当たり前になりつつあるが、長時間にわたる着用は頭痛の原因にもなりうるという。頭痛専門医で大林クリニック(栃木県宇都宮市)の大林克巳(おおばやしかつみ)院長(54)に、頭痛の原因や対策、市販薬を服用する際の注意点などを聞いた。

 長時間マスクを着用することで起こる頭痛は「耳の上にある側頭筋や首の筋肉に負担がかかり、発生する可能性がある」と大林医師。またマスク着用時は、自分が吐いた息をすぐに吸うことになり、結果的に脳内は二酸化炭素過多の状態になる。二酸化炭素は脳の血管を拡張させるため、頭痛を誘発してしまうことがある。

 同クリニックを受診した人の中でも「以前から片頭痛に悩んでいて、長時間のマスク着用で症状が悪化したというケースがあった」(大林医師)という。

 ただ、新型コロナウイルスが流行する中で、マスクを着けないで出掛けたり仕事をしたりすることは、感染防止の観点から考えると難しい。

 マスクによる頭痛に悩む場合は、人との距離を十分に保ち、感染の心配のない場所でマスクを少しだけ外し休憩しよう。側頭筋や首の筋肉に対する負担を軽減するために、首の後ろでひもやゴムを結ぶタイプのマスクを着用するのもお勧めだ。

 一方、慢性的な頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがある。片頭痛は頭の片側か両側が4~72時間、波打つようにひどく痛むのが特徴。緊張型頭痛は、疲労による筋肉の緊張や精神的ストレスなどによって頭全体もしくは後頭部から首にかけてが、締め付けられるように痛む。

 群発頭痛は数週間~数カ月間、2日に1回から1日8回程度の頻度で起こり、痛みは15分~3時間ほど続く。片目の奥が激しく痛み、目の充血、涙、鼻閉がみられることもある。こうした頭痛は、ストレスや環境の変化などさまざまな要因が重なり合って悪化すると考えられている。

 昨今、頭痛薬はドラッグストアなどでも簡単に手に入る。だが、なかなか治らないために、市販の頭痛薬を飲み続けると「薬剤の使用過多による頭痛を発生させてしまうことがある」と大林医師。市販薬の服用は、月平均10日が目安。この日数以上、薬が必要な場合は、頭痛専門外来を受診しよう。

 さらに、市販の頭痛薬は種類が豊富。大林医師は「同じような製品名で同じ製薬会社から出ている薬でも、成分が異なる場合がある」と話す。このため病院を受診する際には、服用している市販薬の名前をメモするなどして、医師にきちんと伝えると良い。