県内における新型コロナウイルスの入院病床稼働率

 新型コロナウイルスの感染者数が栃木県内で急増していることに伴い、8日現在の入院者数(予定者含む)は181人と過去最多を更新した。病床稼働率も7日現在で42.8%と過去最大を更新。対応に多くの医療資源が必要となる重症者数も11人で過去最多となるなど医療現場への負荷が高まっており、関係者は「異常事態だ」と危機感をあらわにしている。

 入院病床の稼働率は、これまでも20~30%前後への上昇と下降を繰り返してきた。ただ11月下旬以降にクラスター(感染者集団)の発生が相次ぐなどして40%を突破し、過去最大値を連日更新する事態となっている。

 現在、県内の入院病床は313床で、うち重症病床は41床。ほかに無症状者などが過ごす宿泊療養施設として、宇都宮・県北・県南にある計3施設の協力で284室を確保している。

 宿泊療養施設は医療機関の負担軽減のため、陽性が判明して一時入院したものの、無症状や軽症で重症化リスクがない患者を受け入れる。県によると、7日までに受け入れた患者は計27人で、うち11月以降が18人と半数以上を占める。県は患者の増加を受け、一時入院を省略して直接受け入れる体制もつくっている。

 病床稼働率の上昇について、県有識者会議議長の稲野秀孝(いなのひでたか)県医師会長は「異常事態だ。医療現場は非常に厳しい状況で踏ん張っている」と窮状を明かす。

 特に重症者数は8日現在で11人と、過去最多の状態が続く。稲野会長は「新型コロナ以外の診療に影響する。医療資源が限られる中、物理的に100%の治療をできなくなる可能性もある」と訴え、「患者や県民を守るため、県は踏み込んだ姿勢を打ち出してもよいのでは」と指摘した。