相談に耳を傾ける栃木いのちの電話の相談員

 新型コロナウイルスの感染拡大が、自殺防止を目的に電話相談を受ける「栃木いのちの電話」にも影響を及ぼしている。本人や家族が高齢の相談員の中には、感染リスクを少しでも減らそうと活動を控える人もおり、対応できる人員が通常より少なくなっているという。現在、栃木県内各地で本年度の相談員募集説明会を実施中。大橋房子(おおはしふさこ)事務局長は「コロナ禍で大変な状況だが、ぜひ仲間になってほしい」と呼び掛けている。

 栃木いのちの電話は、宇都宮は24時間、足利分室は午後3~同9時、毎日ボランティアの相談員が交代で電話相談に対応している。相談員数は年々微減しており、現在229人(今年4月時点)。年齢層は20~70代と幅広く、平均年齢は約60歳。男女の割合は女性約75%、男性約25%という。

 新型コロナは、高齢者が感染すると重症化リスクが高いとされる。そのため、本人や家族が高齢の相談員はやむを得ず活動を控える人もいる。通常より少ない人員体制で電話を受けざるを得ない場面も出てきているという。

 相談員が電話を受ける部屋は受話器や机、ドアなどの消毒を徹底し、換気も常にしている。可能な限り感染対策を取ってはいるが、大橋事務局長は「このような状況の中、相談員の方に無理して来てと言えない」と明かす。

 昼間に4時間、月2、3回担当する相談員の70代女性は「電話が鳴りっぱなしで、4時間の間ほとんど休みなく電話を受けている」と話す。「あなたの声を聞いて安心した、ありがとうと言われると胸がいっぱいになる。私も生きる勇気をもらえる」とやりがいを感じ、約30年間相談員を続けている。「出られなかった電話のことを思うと胸が痛い。もう少し相談員が増えてくれたら私たちもうれしい」と話した。

 相談員募集説明会は今月12日は宇都宮市のとちぎ福祉プラザ、20日は足利市生涯学習センター、22日は鹿沼市民情報センターで行う。時間はいずれも午後2時~同3時半。参加無料。(問)栃木いのちの電話事務局028・622・7970。