林業・木材産業・建築業における新型コロナウイルスの影響度の推移

 新型コロナウイルスの感染拡大が林業・木材産業に大きな打撃を与えていることが、4日までに県林業木材産業課の調査などで分かった。住宅着工数が減少している影響で丸太の価格が約16%下落し、「川上」に当たる林業で丸太の生産量が26%減と停滞。「川中」の木材産業も影響を受け、「川下」の建築業などの需要に追いつかない状況だ。県は12月補正予算案に対策費として1億8千万円を計上し、林業の繁忙期を迎える冬季に向け素材生産の回復を図る。

 同課は今年4~10月の県内の素材・製品価格と生産量などから、業界全体の需要と供給の状況を測る独自の指標を算出した。

 指標によると、新型コロナ感染拡大前を1とした場合、川上は4月から下落を続け、8月には0・50まで落ち込んだ。9、10月と上昇傾向にあるが、それでも10月で0・62と回復しきれていない。

 川中も6月に0・72まで下落し、以降も0・75前後で推移。川下は0・85前後で落ち着いているが、川上・川中ともに川下とのギャップが顕著になっている。

 具体的な数値では、川下は住宅着工数が上半期(4~9月)の月平均で約3万戸。時期によって多少の変動はあるが、コロナで個人消費が落ち込んだことなどから、例年比で15%ほど減少している。

 この傾向が川上・川中にも影響している。素材の丸太の平均価格は、コロナ前から1立方メートル当たり約2千円減の1万500円。特に6~9月の下落幅は2100~2700円と大きかった。本県の主要製品であるスギ柱材の平均価格も4万5千円と、コロナ前から約5500円下がった。

 素材価格の下落や、コロナが収束せず市場の動向も読みにくいことから、森林の所有者が伐採を渋る「切り控え」が加速。上半期の素材生産量はコロナ前から26%も減少し、製品生産量も15%減となった。

 こうした状況を受け、県はまず素材生産が回復するよう、搬出間伐への支援策を12月補正予算案に盛り込んだ。従来の計画通り間伐に協力する所有者に対し助成を行う。同課の担当者は「苦しい状況だが、販路を途絶えさせないためにも、栃木を支えてきた優良な山の伐採が進むよう支援していきたい」としている。