入居者ら24人のクラスター(感染者集団)が発生した、足利市内の有料老人ホームを運営する会社の現場責任者の男性(42)が2日、下野新聞社の取材に応じ、「地域に大きな不安を与えてしまい、申し訳ない」と話した。感染経路に心当たりはないといい、県などの指示に従って対応に追われる中、「施設や職員への風評、誹謗(ひぼう)・中傷だけはやめてもらいたい」と訴える。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 男性によると、11月28日午後、入居者3人に発熱症状があった。嘱託医の助言を受け、29日にキットで検査した結果、陽性反応が出たため、30日に改めて全員を検査した。行政に連絡しクラスターが判明した。

 入居者と家族の面会は半年以上謝絶しており、入居者の外出や外部との交流、外来への通院などもないという。消毒や手袋、マスク着用などを含め、職員には指導をしていたといい「相当気を使って感染予防策はとってきたつもりだった。感染経路は分からず、あるとすれば職員かもしれないが、発端を探すことはしたくない気持ちがある」とする。

 現在、大半の職員を出勤させられないという。数人で何とか入居者へのケアを続けている。敷地内の、クラスターが発生した施設とは別の建物内に対策本部が設けられ、県の職員や専門家らが詰めている。

 施設への電話は鳴りやまず、根拠のないデマや不安の声が寄せられ、子どもを持つ職員らに動揺が広がっている状況を男性は危ぐする。「県などの指示に従って懸命に対応していることは分かってほしい」と訴えた。