自治医大付属病院が生体肝移植300例達成 臓器移植法施行から20年 成人実施施設目指す

自治医大付属病院が生体肝移植300例達成 臓器移植法施行から20年 成人実施施設目指す

 1997年に臓器移植法が施行されて20年。自治医大付属病院は2001年に小児(18歳未満)の生体肝移植を始め、今月には300例に達した。昨年からは成人の生体肝移植にも本格的に着手し、今後は成人を含めた脳死肝移植実施施設の認定を目指すなど拠点としての実績を重ねている。同大移植外科の水田耕一(みずたこういち)教授に肝移植の現状や課題を聞いた。

 同病院ではこれまで小児の脳死肝移植2例を含めて302例の肝移植を実施。レシピエント(移植患者)は生後9日から64歳で、2歳未満が65%を占める。原疾患は、新生児や乳児期早期に発症する胆道閉鎖症が7割と最多。居住地は埼玉、千葉、東京など9割が本県以外だった。 

 ドナーは母親が145人、父親が139人。両親が提供できないケースもあり、祖母、おばなどがドナーになった例もある。ドナーの最高齢は58歳。血液型不適合の移植も51例あった。 レシピエントは免疫抑制剤を生涯内服しなければならない。小児の場合、体形を気にしたりして自ら薬を飲まなくなるケースが問題となっているという。思春期以降の女子に多く、水田教授は「医師やコーディネーターらが連携し、患者の話を聞きながら教育している」と話す。

 生体肝移植の10年生存率は16年12月までの統計で全国平均が72・8%で、同病院は95・4%で全国1位。小児に高い傾向があるが、その理由として挙げられるのは定期的な「肝生検」。肝臓の細胞や組織を調べることで、血液検査では分からない隠れ拒絶反応に早く対応できるという。

 成人の生体肝移植の原疾患で最も多いのは肝細胞がん。B型肝炎とC型肝炎によるウイルス性肝硬変が続くが、生活習慣病に起因したアルコール性肝硬変とNASH(非アルコール性脂肪肝炎)が増加している。

 成人の場合はレシピエントの全身状態の悪さ、ドナー側の年齢や肝機能、肝臓サイズの適合性の問題などから、移植までたどり着く移植到達率は2~3割と、9割以上の小児と比べて圧倒的に低い。水田教授は「早めに移植施設に相談してもらえたら、移植到達率を上げられる」と呼び掛ける。