金澤丈治教授

 自治医大病院耳鼻咽喉科に8月、新たに声の障害や嚥下(えんげ)障害などを対象とする喉頭機能外科外来が新設された。喉頭機能に特化した診療部門の設置は全国の大学病院でもまれだという。軽視してしまいそうな声のかすれには、実は命に関わる重篤な病気が隠れている場合も。また声は生活に欠かせないため、患者の生活の質(QOL)に関わる分野でもある。同科の金澤丈治(かなざわたけはる)教授に声の異変に隠された病気などについて聞いた。

 金澤教授によると、喉頭は喉仏の辺りを指し、人は喉の奥にある開閉する声帯のひだの隙間に空気を通して振動させて声を出す。ところが、声帯自体に異常が起こったり、声帯を動かす神経に問題があると、声のかすれや声がれなど声の異変が起きる。

 声の異変でよく見られる疾患が、声帯に膨らみやこぶができる「声帯ポリープ・結節」。声帯が成人男性より小さく、1秒間に約200回と男性の2倍も振動させ、喉への負荷が大きい成人女性に好発する。特に喉を酷使する教師、保育士、介護職員などで多いという。切除術もあるが、内服薬などでの治療も可能なため、ポリープや結節が完全に固くなる前に早めに受診することが大切だ。

 ほかに声のかすれや声がれの症状が出るものとして、加齢による「声帯萎縮」もある。50代から見られ、声帯の筋肉が衰え、声帯が萎縮して隙間ができることで起きる。自分の声に対して自信をなくして話すことをためらったり、家族がかすれ声を聞くことに疲れて会話を嫌がったりするケースがあるという。