アクリル板を置くなど感染対策をしたレディオベリーのスタジオ=25日午後、宇都宮市中央1丁目

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い在宅時間が増えた影響で、ラジオに親しむ人が増えている。聴取者数が前年と比べ約2割増というデータもあり、ラジオ局には「在宅勤務になり毎日聴いています」「久しぶりに聴きました」といったリスナーの声が届いているという。感染の収束が見えない状況が続く中、パーソナリティーの一人は「癒やしがラジオに求められている」と感じている。

 エフエム栃木(レディオベリー)では新型コロナによる自粛期間以降、今まで聞いたことのないラジオネームから便りが届くなど、リスナーからのメールやファクスが増えた。学校が休校していた期間には10代からのメールなども目立ったという。同社放送部ディレクターの福田勇貴(ふくだゆうき)さん(30)は「自粛期間で(ラジオを)聴いてくださる方が増えて、面白いと思って今も聴いてもらえている」とラジオ人気の高まりを実感している。

 スタジオでは、アクリル板を設置するなど感染対策を取りながら放送を行っている。佐藤望(さとうのぞむ)放送部長は「親近感があるのがラジオの特性。コロナの厳しい現実から少しでも離れて、癒やしの空間をつくることができれば」と話している。

 CRT栃木放送によると、ラジオ放送のインターネット配信サービス「radiko(ラジコ)」を通じた同社の聴取者数は今年3~8月、昨年と比べほとんどの月で約2割増となっている。在宅勤務をしながら聴くケースなど、特に平日の昼間に聴く人が増えたという。

 「テレビだとワイドショーなどでコロナの話題が多いが、ラジオはパーソナリティーがたわいない話や音楽で聴いている方に寄り添う」と同社の黒川淳(くろかわあつし)社長(59)。放送内容については「コロナのことばかりにならないよう、聴いていて明るい気持ちになるものを意識している」と力を込める。

 コロナ禍以降、レディオベリーの番組などをラジコでよく聴くようになったという水戸市、会社員小木安春(おぎやすはる)さん(55)は「ラジオはパーソナリティーの話から想像力が働く。お便りが読まれると番組に参加している気分になる」とラジオの魅力を話した。