住居確保給付金の支給決定件数

 経済的に困窮している人に家賃を補助する「住居確保給付金」の本年度の県内支給決定件数が10月末現在で858件に上り、昨年度(51件)の約17倍に達することが29日、県のまとめで分かった。新型コロナウイルス感染拡大で支給要件が緩和されたことが一因とみられる。緊急事態宣言に伴う休業要請の影響のため、5、6月だけで過半数を占めた。

 住居確保給付金は離職者を対象に、国が家賃相当額の4分の3、自治体が4分の1を負担する仕組み。厚生労働省は4月、支給対象を勤務先の休業などで収入が減った人にも拡充した。現在の支給期間は最長9カ月で、新型コロナによる雇用への影響の長期化を受けて同省は期限を延ばす方針だ。

 本県は4月の支給決定件数は17件だったが、5月234件、6月219件に急増。その後は100件前後で推移し、支援決定額は約1億200万円に上った。昨年度は51件で約400万円だった。

 自治体別では全体の4割を占める宇都宮市が最多で、足利や小山、佐野市なども件数が多かった。県保健福祉課は「都市部には賃貸住宅が多く、サービス業や飲食業など新型コロナの影響を受けやすい業種の人も多い」と説明。当初は旅館やホテルに住み込みで働く従業員で雇い止めになった人の利用が相次いだ。経済活動の再開で申請件数は落ち着いてきたが、夏以降は外国籍の住民からの申請が増えているという。

 県は新型コロナの影響で県内の事業所を解雇されるなどして住宅からの退去を余儀なくされる人に県営住宅60戸を提供し、4戸が利用されている。県住宅課は「現在の住環境を維持できるのが誰にとっても理想だが、住居確保給付金の期限が切れた場合に備えて県営住宅を確保し続ける」としている。