制作した来年のカレンダーを手にする藤城清治さん

 影絵作家藤城清治(ふじしろせいじ)さん(96)の個人美術館「藤城清治美術館」(那須町湯本)は、老朽化した建物の改修や同町高久甲に予定している新美術館の実現に向け、インターネットを通じて広く資金を集めるクラウドファンディング(CF)を実施している。目標額は1千万円で、募集期間は12月25日まで。コロナ禍で厳しい運営環境が続く中、「作品を通じ光を届けたいと制作を続ける藤城の挑戦を支えてほしい」と長女で同館館長の亜季(あき)さんは呼び掛けている。

 同館は2013年、藤城さんの芸術活動70年の集大成として、旧ニキ美術館を改装してオープンした。緻密な風景画や愛らしい生き物などの影絵作品を中心に、デッサンや資料など計約200点を常設展示。プロジェクションマッピングや影絵劇を再現した回転舞台なども公開し、ファンタジックな世界観を体感できる劇場型美術館として、これまで約77万5千人が訪れた。

 しかし新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年は2月末から5月末まで臨時休館。毎年6月に開くグランドオープン記念日のイベントやサイン会なども中止や延期となった。再開後も一日200人までの予約制としたり、団体客を断るなど人数制限をせざるを得なかったことから、今年の入館者数は7割減の見込みだという。