県内の感染状況について説明する倉持医師=27日夜

 全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、県内の累積の感染者数が27日、600人を超えた。コロナ対策に関し、積極的に情報発信している「インターパーク倉持呼吸器内科」(宇都宮市中島町)の倉持仁(くらもちじん)院長(48)は同日、下野新聞社のオンライン取材に応じ「県内の感染者数のコントロールと死亡率の低さは全国的にも評価できる」と分析した。一方、冬場に向け、PCR検査の拡充や飲食店の対策の基準を条例で定めるなど「先手先手で行政のシステムとして感染を防ぐ体制」を求める。

 倉持医師は、県内と同規模の自治体の感染状況や死亡率と比較し「県内の取り組みは成果が出ている」などとし、PCR検査を積極的に行っていることなどを理由に挙げる。

 生活様式、検査体制、医療アクセス、高度医療を対策の4本柱に据え、冬場にウイルスが活性化する中、東京都に近い本県で、大都市のような危機的状況の回避やクラスターが追えなくなる事態を防ぐ対策の必要性を強調する。

 具体的には、基幹病院や高齢者施設の関係者を対象にした定期的なPCR検査、一般県民の検査のキャパシティー拡充、インフルエンザと新型コロナの同時流行を見越し、発熱患者に対応できる県内医療機関を増やすための支援を挙げた。

 「個人に対する生活様式の工夫の『お願い』に終始していては駄目」とも訴える。飲食店での換気の基準や客1人当たりの店内スペースの割合、仕切りの設置、マスク着用の義務付けなど「第1、2波の経験から得た科学的データを基に、実効性ある対策の基準を法的に義務付ける必要がある」とする。

 冬場の個人の対策としては消毒やマスク着用に加え、改めて家庭内での「加湿」の大切さを呼び掛ける。室内の湿度が下がるとウイルスの感染力が高まり、飛沫(ひまつ)も飛びやすくなる。「人数の多い会食や旅行はしばらくは強く自粛してもらいたい」とも訴える。

 「手をこまねいていると、大都市のような状況が県内でも起こりうる。他県の手本となるような、先を見越した対策が栃木県でできるはず」と繰り返した。