JR宇都宮駅西口のLRTルート構造案

 次世代型路面電車(LRT)の整備を進めている宇都宮市は27日、JR宇都宮駅西口側のルート構造について、駅前広場から約400メートル離れた上河原交差点付近までを高架とする構造案を、市議会に説明した。有識者らが「高架案」と「地上案」を比較検討し、円滑で安全性の高い自動車交通、LRTの定時性・速達性の確保などの点から判断した。西口のLRT停留場も高架上に設置する内容だ。

 市などは2022年3月開業を目指し、駅東口から芳賀町の優先整備区間14.6キロの工事を進めている。一方、市が駅西側延伸の早期着工を目指す中、駅西口付近の具体的な構造案を明らかにするのは初めて。将来的な駅前広場再整備や民間による周辺の再開発事業の基点にもなる。

 駅東口交差点から駅、上河原交差点までの約1.1キロの構造について、有識者らによる芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会の交通結節点等基盤整備部会が19年7月から、高架案と地上案を八つの視点で比較検討した。LRTが駅2階部分を東西に横断する計画は、既に固まっている。

 視点のうち「景観形成」の面で、高架案は地上案に比べて「構造物・空間設計に制約が多く、難易度はとても高い」と見立てたが、その他はおおむね高架案が同等以上だった。

 評価の差が特に際だったのが「周辺道路の交通処理」。高架案は「LRTとバスなどが立体交差することで、周辺交差点への影響が小さく円滑な自動車交通が確保できる」が、地上案では「LRTとバスなどが平面交差するため、宮の橋以西までバスなどが滞留し、自動車交通への影響が大きい」とした。

 整備費用は高架案が約100億円で、地上案より約20億円多いと見込む。ただ地上案について「ビルが立地する宮の橋交差点などの改良に(軌道整備とは別に)多くの費用と時間を要する」と指摘した。

 構造案は12月に基幹公共交通検討委に諮った上で、市として決定する。駅西側の大通りを通る延伸区間について市は本年度内に決める方針で、その後速やかに着工に向けた手続きを進めたい考えだ。