厚生労働省が25日に発表した賃金引き上げ実態調査によると、2020年中に賃上げを実施または予定している企業は前年より8・7ポイント低い81・5%で、9年ぶりに減少した。近年は人手不足を背景に賃金を引き上げる傾向にあったが、新型コロナウイルスの感染拡大でサービス業や宿泊業を中心に打撃を受けた業種が多く、減少に転じた。

 夏の賞与を7~8月の調査時点で「支給しない」とした割合は理美容など生活関連サービス業・娯楽業で29・7%(前年12・7%)、宿泊業・飲食サービス業は40・6%(同21・6%)と、いずれも前年比で2倍程度。新型コロナの影響について、厚労省の担当者は「全ての業種で一律に引き下げているわけではなく、特定の業種で大きく下がっているのが特徴」としている。

 賃上げの実施状況を業種別にみると、宿泊業・飲食サービス業が前年から30・6ポイント減の49・3%、生活関連サービス業・娯楽業が31・3ポイント減の58・4%で減少が顕著だった。

 基本給などの月額所定内賃金の平均引き上げ額は前年より652円減の4940円で、2年連続の減少となった。従業員数が多いほど引き上げる傾向があり、5千人以上が91・4%だったが、100~299人は79・2%だった。

 調査は有効回答があった従業員100人以上の1670社を集計した。