緊急事態宣言の解除後、成約が相次いだ住宅分譲地=19日午後、宇都宮市細谷町(画像は一部加工しています)

 コロナ禍で個人消費が冷え込む一方で、栃木県内の住宅市場は復調している。緊急事態宣言が解除された5月末以降、一戸建て購入の動きが活発化。外出自粛の解除後の4カ月間で、一気に20区画以上が売れた分譲地もある。在宅勤務が進み、手狭なアパートなどからの住み替え需要が増しているという。かき入れ時の1~3月を控え、業界関係者は「できる限り感染が広がらないでほしい」と気をもんでいる。

 宇都宮市細谷町の県道大沢-宇都宮線(新里街道)沿いにある住宅分譲地は今年、販売戸数が大きく伸びた分譲地の一つだ。

 分譲を手掛ける1級建築士事務所「タカオ設計」(下野市)によると、建売住宅の区画を含めた全34区画のうち、大半の分譲を開始した昨年11月ごろから今年3月までの成約は3区画だった。6~9月には一転して契約が相次ぎ、現在は残り5区画まで減った。

 好調の理由について同社の小池隆男(こいけたかお)社長(61)は「アパートやマンションから一戸建てに住み替えるお客さまが大半。エレベーターなどで密になる可能性がある集合住宅より、一戸建ては感染リスクが低いイメージがある点が後押ししているのでは」とみている。

 「巣ごもりが続き、『広い庭で子どもを遊ばせたい』という動機が働いている面がある」とは、住宅会社「ユーディーホーム」(那須塩原市)の担当者。同社も2~4月に客足が落ち込み、6、7月は前年同月を超えた。

 完成した家を注文主に引き渡す前に一般開放する「完成見学会」を事前予約制にするなどの感染対策も奏功したと分析する。またテレワークの拡大を受け、個室タイプの書斎を求める声が増えているという。

 不動産会社「CIC情報センター」(宇都宮市)は緊急事態宣言期間中、内見や見積もりなどをインターネットで行える「ウェブ接客」に利用客の7割が集中した。及川昌明(おいかわよしあき)社長(51)は「外出自粛の打撃はあったが、さほど大きくは感じなかった」と振り返る。「来春、転勤者や学生が例年通り動くのか見えない」として、感染拡大の行方に神経をとがらせている。