忘年会の予約状況のカレンダーを見詰める渡辺さん。びっしりと埋まった昨年の12月(下)に比べ、今年は空白が目立つ=19日午後、栃木市万町の「Genki CAFE辰元」

 新型コロナウイルス感染の「第3波」が全国に広がる中、間もなく忘年会シーズンを迎える。例年のような宴会が期待できず、大ダメージを受ける飲食店は「職場での小規模な『お疲れさま会』でもいいので検討してほしい」と悲痛な声を上げる。一方、企業や自治体などは、縮小した食事会でさえ、いっそう慎重にならざるを得ない状況にあるという。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 昨年と今年の12月のカレンダーを見比べると一目瞭然だ。「待っているだけじゃ厳しくなるだけ。できることは全てやる」。栃木市万町の「Genki CAFE辰元」。代表の渡辺真(わたなべまこと)さん(44)は会員制交流サイト「フェイススブック」で、会社の会議室などを利用した忘年会「オフィス忘年会」の開催をPRしている。配達の要望にとにかく細かく応じる覚悟だ。

 売り上げを一気に押し上げるはずの12月。店内の感染防止策は万全の自負があるが、地元企業、行政・学校、団体といった常連客の忘年会は望み薄だ。「お酒がなくても、短時間でも、忘年会の代わりのちょっとした食事会でも本当にありがたい」と吐露する。

 宇都宮市上戸祭町の中華料理店「Dairin」でも、忘年会の代替として、職場での利用を呼び掛けている。

 地元のお年寄りの集まりや少年スポーツ関係の年末の予約も大幅に減っている。マネージャーの金子直美(かねこなおみ)さん(50)は「少人数の『お疲れさま会』や子どもの『頑張ったね会』など、年末だからちょっとだけでも形を変えてやろうか、という雰囲気になってもらいたい」と打ち明ける。

 企業側にとって、忘年会はいっそう遠くなりつつある。宇都宮市内の建築設計事務所は、親睦を大切にする社風もあり、業者を交えて忘年会を開いているが、今年は中止に。担当者は「社員だけでこぢんまりにでも、という気持ちはあるが悩んでいる。万が一があると自社だけの問題じゃなくなる」と危ぐする。

 さくら市は、疲弊する飲食店を支援するため、総菜や弁当をグループ発注する取り組みを春に行った。

 年末も、当初は対策を徹底している店で、少人数の会食であればできるだけやろうという考えもあったというが、県内の感染の広がりもあり、決められずにいる。担当の職員は「少しでも協力したいが、慎重に見極めざるを得ない」と話している。