復刻した校歌を披露した生徒に感想を聞く村山さん(中央)

 NHK連続テレビ小説「エール」のモデルとなった作曲家古関裕而(こせきゆうじ)(1909~89年)が手掛けた小山女子高(現小山城南高)の校歌が20日、小山城南高の創立記念式典で70年ぶりに歌われた。楽譜が残っていない「幻の校歌」とされていたが、元校長の村山哲也(むらやまてつや)さん(65)が復刻し、この日が初披露。村山さんは「当時の学校を支えた人の熱い思いが込められた歌だ」と語る。

 小山女子高は1948年、前身の女学校から改称されて誕生した。作曲古関、作詞西條八十(さいじょうやそ)の「名コンビ」で校歌が作られたが、翌49年には男女共学の小山城南高となったため、歌われたのは約1年間だけだった。

 2012年に同校の校長となった村山さんは、この校歌がビッグネームの作品と知り「衝撃を受けた」。在職中の14年秋に「探検プロジェクト」を発足し、復活に着手した。同窓会員や元職員への取材、同窓会報の調査を重ね、メロディーを掘り起こした。卒業生に聴いてもらい「お墨付き」を得て、翌15年には楽譜を復刻することに成功。福島市にある古関裕而記念館に送付したが、大勢の前で歌われる機会はなかった。

 「散りまた咲く城山の桜」「恩師のおしえとこしえに」といった詞がちりばめられた校歌のメロディーは「古関らしいモダンで柔らかい曲調」と村山さん。70年ぶりの披露の場となった創立記念式典のステージでは、吹奏楽部の女子生徒ら11人が歌声を響かせた。県オペラ協会長も務める村山さんは講師として招かれ「心意気ある人たちの支えで学校は続いてきた。母校として誇りに思ってほしい」と呼び掛けた。

 県内では古関作曲の校歌が日光中と市貝小で歌い継がれている。