白あんの焼き菓子「あぶみ瓦」(大税込み330円、小115円)は、1967年の発売。半世紀にわたって地元の銘菓として愛されている。
お菓子の顔は、下野国分寺跡から出土した瓦の文様からとり、白あんには日本一の生産量を誇る地元産かんぴょうが練り込まれている。市が認証するしもつけブランドの第1号。
「お得意さんが出土した瓦を持っていて、これを生かしてお土産になるお菓子はできないかと言われたのがきっかけです」。2代目の山中英男(やまなかひでお)さん(79)が開発秘話を明かす。お菓子の木型は鹿沼市の職人に特注した。
白あんにはかんぴょうのほか、クルミやクリが入っていて、優しい甘さが生地と調和する。大は直径12センチ、小は8センチ。「最初のころとは味は変わっています。口の肥えた今の人たちに合わせてバターや生クリームを加え改良してきました」と山中さん。かんぴょうにはこだわり、友人の農家から仕入れているという。
お土産として使われることが多く、贈られた遠方の人からの注文も舞い込むという。孫の4代目が昨年、修業を終えて入店。名物を受け継ぐ体制も万全だ。
◆メモ 下野市小金井3009の208▽営業時間 午前9時~午後8時▽月曜定休(祝日の場合は翌日)▽(問)0285・44・8181