秋の風物詩として定着している芋煮会だが、残念ながら今年は新型コロナの影響により、県内外で中止が相次いだ。主役のサトイモは、これからが旬。日々の食卓に、正月のおせちに、と口にする機会も増えてくる▼本県のサトイモ出荷量は全国6位を誇る。イチゴほど目立たないが、立派な主要産地である。その畑で近年、新たな試みが行われている。畝の間に水を流す「湛水栽培」だ▼導入を進めているのは県上都賀農業振興事務所とJAかみつが。コメの消費減少が続き、水田をはじめとする農地の活用が喫緊の課題となっている中、需要拡大が見込める作物として目を付けたのがサトイモだった▼昨年春に着手し、先進地の鹿児島県を視察。水温が低いため水を入れる期間を3分の1の1カ月にするなど独自の工夫も加えた。1年目は日光、鹿沼の両市で3軒、今年は12軒が栽培に取り組み、日光市には初めて研究会も発足した▼水を張った効果で害虫のコガネムシが卵を産み付けなくなり、親芋のえぐ味が抜け出荷できる見通しも出てきたという。このため収量は1割ほど増えた▼サトイモは近年、輸入物が増加する一方、国内生産は北関東が北限とされ東北地方の生産地は限定的で量も少ない。有望市場がすぐ近くにある。「日光の名水育ち」が名産品となる日が待ち遠しい。