魚類や水生昆虫を捕まえる自然体験をする子どもたち。今年は多くの体験やイベントが中止になった=昨年8月、市貝町市塙のサシバの里自然学校

 県内の自然体験活動団体が新型コロナウイルス感染症の影響を調べたアンケートで、自然体験プログラムなどの中止や延期によって今年1~8月の8カ月間で計約2万8千人が自然体験への参加機会を失ったことが分かった。アンケートを起案した市貝町市塙、「サシバの里自然学校」校長遠藤隼(えんどうじゅん)さん(36)は「子どもを中心に、心身の活力低下や自然離れ、環境問題への関心の低下が懸念される」と危惧している。

 アンケートは遠藤さんを代表として有志でつくる「とちぎ自然体験活動ネットワーク準備委員会」が9月4~26日まで、ウェブサイトで行った。経営形態や規模もさまざまな県内の28団体が回答した。

 経営や運営に「影響が出ている」と答えた23団体のうち10団体が、例年実施していた自然体験プログラムやイベントが25日以上実施できなかったと回答。実施できなかったプログラムや体験に想定された参加者数は28団体合計で延べ2万8217人に上った。

 中には公的施設1館で約1万人に上るケースや、複数回で延べ約2千人に達する探鳥会なども含まれているという。

 日本環境教育フォーラム(東京)が9月に公表した全国調査では、県内で自然体験機会を失ったのは4900人(5団体)とされていた。アウトドアクティビティーや自然観察会の主催団体などを含め5倍以上が回答した今回の調査で、より広範囲に影響が及んでいることが確認された。

 アンケートでは「活動PRの場が減っている」「実際に見て触って感じる野外観察会は生物多様性や持続可能な開発目標(SDGs)の普及・啓発に大切」などの指摘があり、各団体の危機意識がにじんでいる。

 遠藤さんは「今後、自然体験活動を提供する団体で何らかの形でネットワークをつくり、連携して対応を考えていきたい」と話した。