新型コロナウイルス感染予防のため外出を控える高齢者らを対象に、貸切タクシーの利用額を半額助成する栃木県の事業で、県が1回当たり1万円以上だった利用対象額を3千円に引き下げることが17日までに、関係者への取材で分かった。8月の制度開始から3カ月が経過したが、予算額の3%程度しか利用されておらず、貸切に加えてメーター料金での利用にも対象を広げる。新制度は今月21日から運用を始める予定。

 この事業は「貸切タクシー活用おでかけリフレッシュ促進事業」。県がコロナ禍で外出を控える高齢者や障害者の旅行や買い物を支援するのが目的。県内に在住し、2021年4月1日時点で満65歳以上の高齢者(1956年4月1日以前生まれ)や、障害者手帳を持つ人が利用できる。1回当たり利用額の半額(上限3万円)を助成する。

 県は5600万円の予算を計上した。期間は来年2月28日まで。県内の法人・個人を含む130事業者が参加している。

 ただ、利用件数は伸び悩み、8月は18件、9月は19件、10月は50件だった。県は1カ月当たり700万円の利用を想定していたが、これまでの利用額は、広報費などを除いた予算5200万円のうち、約180万円分にとどまる。

 県内のタクシーを貸切利用する際の時間制運賃は、普通車の場合で拘束30分ごとに3050円となっており、事業を使うには2時間以上利用する必要がある。このため制度を巡っては1万円以上の貸切利用という条件が厳しく、利用する機会が限定されるという意見があった。県央のタクシー事業者からも「お客さまに利用を促しにくい。もう少し利用しやすい制度にしてもらいたい」といった声も出ている。

 利用低迷を受けて県は制度の変更を決めた。貸切利用に限らず、事前に予約すればメーターでの利用でも使えるようにする。なお対象者や期間は変更しない。