麦食パン

店の前に立つ清野さん

麦食パン 店の前に立つ清野さん

 時間と手間がかかった高級食パンは、ナイフを入れると「サクッ」と音が鳴り響いた。

 宇都宮市内ではいち早く出店した高級食パン専門店「パン工房 麦」の「麦食パン」(1斤360円)。表面とは裏腹に、内側はふわふわとしており目が細かい。口に入れた瞬間バターの香りが広がり、かむ度に甘みが感じられた。

 焼き上がるまでは4時間以上。生地は厳選した2種類の小麦粉とバター、さらに砂糖を混ぜ、気温に気を配りながら発酵させる。

 店主の清野和男(きよのかずお)さん(69)は、この道40年以上のパン職人。1995年に店を構え菓子パンやサンドイッチなどを作っていた。

 なかなか客の心をつかめず、起死回生を懸けて人気テレビ番組「愛の貧乏脱出大作戦」に出演した。パン業界の巨匠福盛幸一(ふくもりこういち)さんの下で修業を積み、2000年にリニューアルオープン。食パン1本で勝負に出た。

 こだわりの逸品の完成度にいまだ納得がいかず、配合の割合を変えるなど研究を重ねる。「おいしいパン作りに限界はない。一生勉強」と清野さん。職人魂が込められた高級食パンは、日々進化し続ける。

 ◆メモ 宇都宮市高砂町2の10▽営業時間 午後4~9時▽不定休▽(問)028・653・3469。