鹿沼風とんかつ

開店から34年目を迎える八州

鹿沼風とんかつ 開店から34年目を迎える八州

 「もともとコンニャクは、それほど好きじゃなかったんです」

 鹿沼市産のコンニャクをとんかつに使用した「鹿沼風とんかつ」(単品税込み1050円、定食税込み1400円)。開発、提供するとんかつ専門店八州(やしま)店主の福田隆(ふくだたかし)さん(65)の口から出たのは、驚きの言葉だった。

 提供を始めたのは25年ほど前。市内の飲食店経営者らがメンバーの「美食倶楽部(くらぶ)」で、鹿沼の特産品を使ったメニューを作ろうと話し合ったことがきっかけだった。

 コンニャク特有の臭いを消すためしょうゆで煮込み、シソと一緒に豚肉で巻いて揚げる。ソースはかけない。鼻に抜けるシソの風味、味の染みこんだコンニャクと軟らかい豚肉が絶妙にマッチする。

 「思ったより反応が良かったんですよ」と福田さん。長く続ける気はなかったが、リピーターが多かったため今も提供している。

 オープンから34年目を迎えた。那須の郡司豚や日光のコシヒカリなど、県産の食材にこだわって提供している。

 現在は妻の恵子(けいこ)さん(56)と夫婦2人で営業。「年を取ると体がしんどい」と嘆きながらも、「大切なのはお客さん。動けるうちは働きたい」と笑顔を見せた。気さくで優しい夫婦が営む居心地の良い空間を求め、今日も地元住民が訪れる。

 ◆メモ 鹿沼市西茂呂4の3の1▽営業時間 午前11時~午後3時、午後5時半~10時(ともに30分前ラストオーダー)▽木曜定休▽(問)0289・64・2368。