いなりずし

老舗として長く愛されている万年いなり亀広の外観

いなりずし 老舗として長く愛されている万年いなり亀広の外観

 1976年、20代半ばだった青木廣榮(あおきひろえ)さん(70)、多美子(たみこ)さん(67)夫妻が開業した。働いてお金をためて開いた念願の店。商品にいなりずしを選んだのは、日本の伝統食であることや飾り気のなさ、テークアウトの手軽さにひかれたという。

 自慢のいなりずし(1個税込み90円)は、数晩寝かせて味を染み込ませた揚げに、コメをずっしり詰める。懐かしい味で、食べ応えも十分だ。

 店は福島と群馬を結ぶ運送ルートの中間にあったため、当初、運送業者の間で評判が広まった。2人は「お客さんに育ててもらった」「差し入れをくれたり、いい人ばかり。今は、いたわってもらっている」と笑みをこぼす。

 運動会やお盆用にと、数カ月前から問い合わせの電話が鳴る。客も親から子、孫へと移り変わり、付き合いは家族ぐるみ。病床に伏した常連客が最期の食事に「あのいなりずし」を選ぶこともあった。夫妻は「お客さんのおかげで、幸せな人生を送らせてもらっている」と口をそろえる。

 鶴は千年、亀は万年-。「老舗と言われる店になりたい」との思いから命名した店は、開業から43年がたった今、立派な老舗として知られている。

 ◆メモ 宇都宮市大塚町12の26▽営業時間 午前4時半~午後1時▽木曜定休、その他不定休▽(問)028・658・6782。