ドラッグストアの感染対策用品売り場。現在は十分な量を販売している=16日午前、宇都宮市内

 全国で新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」が到来し、県内でも警戒感がじわりと強まっている。企業は従業員に対し、感染対策の徹底を再周知。忘年会シーズンを控える飲食店は「せっかく『Go To イート』で盛り返しつつあるのに」と危機感を募らせる。識者は「人の動きが活発化すれば、感染拡大はある程度予想されていた」と話し、地道な感染対策の継続を呼び掛けた。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 国内の新規感染者数は今月12日、3カ月ぶりに最多を更新。首都圏や北海道などで高い水準が続く。県内は今月、1日0~4人の間で推移している。増加のペースは早くないものの、10日には累計500人を超えた。

 「全て電話やビデオ会議で済ますわけにもいかず、悩ましい」。13日夕、東京への日帰り出張から戻った宇都宮市戸祭町、会社員男性(50)は都内の感染状況に戸惑いの表情を見せた。月2、3回は都内の会議に出席する必要があり、「会食を控えるなど感染対策に気を配るしかない」とした。

 芳賀町やさくら市に関連会社を持つホンダは12日、全従業員に感染対策の徹底を再周知した。同社広報によると、大人数による長時間の飲食など、感染リスクが高まる場面を記した厚生労働省の資料を添付したという。生産部門以外を中心に取り入れたテレワークは、「人員の極力50%以上」との従来の目標値を維持していく。

 忘年会シーズンを控え、飲食店からは悲鳴が上がる。飲食店を支援する政府の事業「Go To イート」を「非常に助かっている」と話す居酒屋「ぴんすけ」(宇都宮市宮園町)の石崎陽一(いしざきよういち)店長(39)は「(感染拡大の)ニュース一つが客足に大きく響く」と表情を曇らせる。

 一時期、品不足が深刻化したマスク流通。カワチ薬品(小山市)の担当者は「11月は前年の2、3倍の売れ行きが続いている。今のところ大きな変化はない」と話す。国内生産量が増えるなどして現在は十分な量を確保できており、必要以上の買いだめに迫られる状況にはないという。

 感染拡大の現状について自治医大付属病院感染制御部の森沢雄司(もりさわゆうじ)部長(54)は「人の動きが活発化すれば、ある程度予想されていた」と説明。「日本は諸外国に比べ極端に感染者数が少なく、いわば奇跡的な状況だった。油断すべきでなく、手指の衛生やマスク着用、『3密』の回避といった対策を粘り強く続けてほしい」と指摘している。