2018年12月に開かれた宇都宮第九合唱団の演奏会(同団提供)

宇都宮第九合唱団 野外&リモート演奏会参加イメージ

2018年12月に開かれた宇都宮第九合唱団の演奏会(同団提供) 宇都宮第九合唱団 野外&リモート演奏会参加イメージ

 40年続く「第九」のともしびを消さないために-。市民らでつくる「宇都宮第九合唱団」は12月から来年1月にかけ、ホールでの演奏会に代わる野外&リモート演奏会を開く。新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年通りの練習や発表会が難しい中、演奏のライブ配信や動画収録を行い、2月にそれらをまとめた動画を制作、配信する。声楽や器楽を取り巻く環境はいまだ厳しいが、今年は作曲者ベートーベンの生誕250周年であり、同団結成40周年でもある。小川宏一(おがわこういち)団長(52)は「第九の主題のように『苦難を乗り越えて』演奏会を実現させたい。まとめた動画は無料で配信するのでぜひ多くの人に見てほしい」と力を込めた。

 同団は1980年、宇都宮市文化会館の開館を機に設立。12月に開く演奏会では、団名の通りベートーベンの「交響曲第9番」を全楽章演奏している。例年公募の市民約200人が歌声を披露し、1500人以上の観客が集まる年の瀬の風物詩だ。

 毎年6月から第九に向けた練習に取り組んでいるが、団員の約6割が60代以上を占めることもあり、コロナ禍で練習が困難に。演奏会の開催自体危ぶまれたが、第九を生きがいにしている団員もおり「今できる範囲でやってみよう」という多くの熱意で今回のイベント開催が決まった。

 12月26日に宇都宮市江野町のオリオンスクエアで開く野外演奏会は、冬の屋外ということもあり第4楽章のみ。3密を避けるため合唱団の公募は第九を暗譜で歌える50人に限定し、事前の合同練習は行わない。また当日は飛沫を軽減する合唱用のマスクを着用し、隣の人と1・5~2メートル離れるソーシャルディスタンスを徹底。一般の観客を集めずに演奏し、インターネットでライブ配信する。

 一方で「より多くの人に参加してもらいたい」との思いから、11月22日以降、全国を対象にリモート参加を募る。野外演奏会の動画を参加者へ送り、参加者が合わせて歌った動画を同団事務局が合成し、新たな動画作品に仕上げる。来年1月中旬には、個人での撮影が難しい人を対象にしたリモート撮影会を同市内で開く。

 全国で第九の演奏会中止が相次ぐ中での試みだけに、開催を待ち望む声は多いという。同団広報担当の斎藤真弓(さいとうまゆみ)さん(53)は「歌に対する多くの人の情熱を感じる」と野外演奏会だけでなく、リモートでの大勢の参加に期待を寄せている。 

 同団は演奏会運営のための寄付を募っており、同市内を中心に募金箱を設置している。(問)斎藤さん070・4163・7793。