5選確実の一報を受け、支持者に囲まれ選挙事務所に入る佐藤栄一氏=15日午後8時2分、宇都宮市簗瀬町

 5期20年へ-。多選批判をはねのけ、ともに現職が制した15日投開票の知事選と宇都宮市長選。開票率0%の段階で「当選確実」が伝えられる“大勝”に、両陣営は拍手と歓声に包まれた。盤石の戦いで県政史上初となる5期目の切符を手にした福田富一(ふくだとみかず)氏(67)。同市の次世代型路面電車(LRT)整備に異議を唱える相手候補を退けた佐藤栄一(さとうえいいち)氏(59)。「多くの支持を得られた」「さらに大きな責任感で取り組む」。両氏は喜びつつも表情を引き締めた。一方、課題とされた投票率はともに低く県民、市民との距離を感じさせた。

 「やったー」「良かった」。支持者が詰めかけた無所属現職の佐藤栄一(さとうえいいち)氏(59)の選挙事務所。午後8時すぎにテレビで「当選確実」の速報が流れると、会場は歓喜の渦に包まれた。

 開票率0%での「ゼロ当確」。5期目に臨む佐藤氏は割れんばかりの拍手で迎えられ、新型コロナウイルス対策のため支持者とグータッチを繰り返した。地鳴りのような歓声を受けながら胴上げで祝福された後、万歳三唱で喜びを分かち合った。

 安堵(あんど)の表情で「正々堂々と戦った結果。すべての人に感謝を申し上げる。さらに大きな責任感を持って市政のかじを取りたい」と述べると、会場は再び熱気に包まれた。

 前回2016年の市長選は、次世代型路面電車(LRT)整備事業の「中止」を掲げた相手候補に約6千票差と迫られ、薄氷を踏む思いだった。事業の推進を目指す佐藤氏はこの4年間、沿線や周縁部に「丁寧な説明」を心掛け、理解を訴え続けた。

 ただ、LRTが通らない周縁部の住民には「恩恵を受けるのは沿線だけ」と不満も依然根強い。争点となった多選の是非も踏まえ、佐藤氏は「しっかりと理解をして頂けるよう、より丁寧に地道に説明を続けていく」と表情を引き締めた。

 佐藤氏は新型コロナ対策や自然災害などの危機対応の実績を強調し、支持を広げた。街頭演説では「知事は福田、市長は佐藤」と知事選で5選を果たした福田富一(ふくだとみかず)氏との共闘を印象付け、相手候補を引き離した。