新しい舞台で今後の抱負を語る劇団員ら

 学校などで巡回公演を行う栃木県那須塩原市下大貫の劇団らくりん座は14日、野外ステージのこけら落としイベントを開催した。新型コロナウイルス感染拡大で公演数が減少する中、密集を避けた新しい舞台として、使用していなかった野外ステージに着目。「らくりん座友の会」やファンの後押しを受けて改修し、10月末に完成した。来春から本格的に活用する予定で、コロナ禍によって発表の場を失った他団体にも貸し出す。

 野外ステージはコンクリート造りで約57平方メートル。舞台は客席から40センチほど高い。背景は木板のついたてで、周りは石で飾り付けた。客席は長椅子や畳が設置され、約50人を収容できる。

 同劇団は新型コロナ感染拡大で公演先の小中学校が休校となり、活動の場を長期間奪われた。大河内(おおこうち)真由美(まゆみ)代表(52)は「観客の沈んだ心が元気になってほしい」と、約10年前から使っていない野外ステージの再利用を企画した。

 改修工事には、劇団を物心両面で支える「らくりん座友の会」が全面協力。メンバーが無償で石の銘板を提供するなどした。また、郵便や直接手渡しなどでファンから届けられた寄付金も費用として活用した。

 経営する建設会社が施工を請け負った玉木茂(たまきしげる)副会長(70)は「テレビもない頃、我々はらくりん座に育ててもらった。今回はその何分の一かの恩返し」と語った。

 この日のイベントには約30人の招待客が参加。同劇団による昔話「3枚のお札」のほか、市民劇団「劇団なすの」など4団体が歌や紙芝居で楽しませた。大河内代表は「劇やダンス、音楽など生のものを、安心して気軽に楽しんでもらう場所にしたい」と話した。