【宇都宮】任期満了に伴う市長選は15日の投開票に向け、終盤戦に入った。5選を目指す無所属現職の佐藤栄一(さとうえいいち)氏(59)=自民、公明推薦=が知名度を生かしてリードし、弁護士で無所属新人の須藤博(すどうひろし)氏(77)=立憲民主、共産、社民推薦=は次世代型路面電車(LRT)工事の一時凍結を掲げ、追い上げを図る。投票率は両陣営とも前回の41.53%を下回るとみており、無党派層の動向も焦点になる。

 新型コロナウイルスへの対策のため、両陣営は街頭演説を軸としながら、政策を訴えるビラや会員制交流サイト(SNS)を活用し、論戦を繰り広げている。

 前市長の福田富一(ふくだとみかず)氏が知事に転出し、佐藤氏が企業経営者から後継市長となり4期16年。民間感覚を生かした市政に評価がある。

 一方、LRT整備事業では前回、「中止」を掲げた新人と僅差に詰め寄られた経緯を踏まえ、陣営幹部は現段階でも「LRT反対の候補に一度投票した人が、佐藤支持に回るのは難しい」とみる。

 選対本部長の船田元(ふなだはじめ)衆院議員のもと、ダブル選の知事選に立候補している福田氏と連携し、企業訪問などで基礎票を固める。定数45の市議のうち21人が積極的に支援。自民系会派が昨春に一本化され「活動の効率が上がった」という。各種団体の推薦は約200。組織力を駆使している。

 須藤氏は立候補の正式表明が告示日の約1カ月前と出遅れ、知名度不足は否めないが、現職を「長くやれば権力は腐る」などと批判し、支持拡大に躍起だ。

 新社会を含む県内の野党4党と2市民団体から推薦を受け、コロナ禍の下、JR宇都宮駅東側で工事が進むLRT整備事業の見直しを最も強く打ち出す。

 LRTに反対する有権者の取り込みが鍵として、支援組織のネットワークを生かし、感染症対策に配慮したミニ集会、街頭演説、ビラなどで草の根の運動を展開している

 投票率について両陣営は、当時未着工だったLRTを巡り活発に議論が交わされた4年前の前回を下回るとみている。

 須藤陣営の幹部は「街宣車で走ると反応がある。投票率が上がるほど、当選の可能性も上がる」とし、無党派層への浸透を狙う。