宇都宮市内でひときわ目立つ構造物と言えば宇都宮タワーだろう。高さは89メートルだが、市中心部の八幡山公園の標高158メートルに立地しているため、合わせると247メートルになる▼東北新幹線の整備が設置の一因であることは意外に知られていない。市内では東京タワーからのテレビ放送電波を直接受信していたが、高層建築物の増加に加え、新幹線の高架などで大規模な受信障害が起きる懸念があったため、中継電波塔が必要となった▼完成は1980年11月15日で、今週末に40周年を迎える。総工費は3億6千万円。当時の国鉄も一部を負担した。本来なら電波塔だけでよかったはずだが、地上30メートルに展望台を設けた▼法律で公園には電波塔が建てられなかったため、展望台として建設を申請。アンテナは展望台の付属物とした。設置した市役所には知恵者がいたようだ。正式名称の「八幡山公園展望塔」からも経緯が推測できる▼エレベーターで昇る展望台は約116平方メートルで70畳ほど。ガラス張りで市内を一望でき「日本一の地平線が見られる」との案内がある。年間4万人が訪れ、花見シーズンが最もにぎわう▼東日本大震災では問題がなかったが、現在耐震補強工事が行われ利用できない。改修後は震度6強から7に耐える強度を得る。市のシンボルとしてこれからも親しまれていく。