鈴木智さん(宇都宮在住)が初監督映画 市内3姉妹を抜てき

鈴木智さん(宇都宮在住)が初監督映画 市内3姉妹を抜てき

 日本の美しい伝統文化を背景に、温かい家族のドラマを描いた短編映画「障子張りの夜」の制作が進んでいる。モントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を受賞した映画「誰も守ってくれない」の脚本などで知られる宇都宮市在住の脚本家鈴木智(すずきさとし)さん(54)初監督作品で、主役級の子役には、同市在住の3姉妹が抜てきされた。住民の協力を得て主に県内で撮影が行われた“栃木発”の意欲作。年内完成を目指し、各地映画祭などへの出品を予定しているという。

 障子を張り直し、家を少しでも高く売ってから離婚しようとしている夫婦。その邪魔をして、障子を何度も破いてしまう子どもたち。障子を張り直すことが、穴だらけの家族の再生につながっていく−。

 鈴木監督が10年も前から構想を温めてきたという本作品。映像化に向けては、高倉健(たかくらけん)主演「あなたへ」で日本アカデミー賞優秀撮影賞を受賞した林淳一郎(はやしじゅんいちろう)撮影監督ら、日本映画を代表する制作スタッフが結集した。

 「いい子役がいないと成立しない」(鈴木監督)と力を入れたのは、子役の選考。芸能プロダクションを回っても見つからず、悩んでいた時、地元の知人から1枚の写真が送られた。そこには、笑顔で並ぶ山本純玲(やまもとすみれ)さん(10)、娃純(あずみ)さん(7)、美純(みすみ)ちゃん(4)の3姉妹。「生き生きとした表情、素朴で野性的な雰囲気。『この子たちだ』と思った」という。

 演技経験が全くない素人の子どもを起用するのは大きな挑戦でもあったが、「型にはまった芝居ではなく、ドキュメンタリーのような空気感を醸し出せる」と期待を寄せる。

 撮影は9月15日から3日間、同市石那田町にある鈴木監督の実家をはじめ、子どもの頃に通っていた思い入れのあるおもちゃ店などで行われた。