有権者に手を振りながら駆ける田野辺氏=8日午前、下野市内

 15日投開票の栃木県知事選は終盤を迎えた。立候補した元NHK宇都宮放送局長で無所属新人の田野辺隆男(たのべたかお)氏(60)と、無所属現職の福田富一(ふくだとみかず)氏(67)=自民、公明推薦=は、それぞれ県内各地を回って支持を訴える。ラストスパートをかける両候補者の姿を追った。

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 選挙戦最後の日曜日となった8日朝。下野市の道の駅で、ツーリングの出発を待つバイカーたちを前にマイクを握った。「普通に懸命に働く人たちのための政治をしたい」。エンジン音が響きわたる中、いつものように柔らかい口調で訴えた。

 「無所属県民党」を掲げ、政党などの後ろ盾はない。遊説ルートを決めるのは県内各地の勝手連だ。「動いてくれて感謝している」。スーパーや駅に足を運び、名前と顔を売り続ける。

 この日は同市内を中心に、15カ所の街頭に立った。合間には会員制交流サイト(SNS)に投稿する動画も撮影。スタッフから提示されたキーワードを参考に、アドリブで主張を発信する。少し言葉が詰まっても、それは「ナマ感」。撮り直しはない。

 市内の定食店でレバニラをたいらげた後は、家族連れでにぎわう公園を訪れた。早々に演説を切り上げ、一人一人に声を掛けて回り「魅力度、上げてみせますからね」。万人受けする言葉選びは、テレビディレクターの経験が生きている。

 「とにかく全力。新しい人にどんどん会っていく」と、たすきを揺らして聴衆に駆け寄る。露出を意識し、投票日まで走り抜ける。