SNSに投稿する動画を撮影する知事選候補者の陣営スタッフ(右)=1日午後、宇都宮市内

 15日投開票の知事選を巡り、新人と現職の両陣営がインターネット上で「空中戦」を繰り広げている。若年層へのアピールが主な狙いで、新型コロナウイルスの感染防止対策の側面もある。会員制交流サイト(SNS)など複数の発信ツールを駆使しているものの、若い有権者からは「投稿があまり拡散されていない」と訴求力を疑問視する声も上がっている。

 「今日のテーマは投票率アップです」。5日午前、足利市。無所属新人田野辺隆男(たのべたかお)氏(60)は街頭演説を終えると、集まった有権者と一緒にSNSに投稿する動画を撮影した。

 田野辺氏陣営は連日、ツイッターを更新。その日の遊説日程を知らせたり、政策などを伝える動画を投稿したりしている。さらに街頭演説のライブ配信もフェイスブックや動画投稿サイト「ユーチューブ」で行う。インスタグラムなどでも情報発信している。

 SNS活用は「若い世代へのアピール」が主な目的。「親しみやすさ」が伝わるよう政治以外の内容も取り入れ、田野辺氏がダンスする動画も投稿した。陣営の担当者は「SNSなら24時間、選挙活動ができる。たくさんの人に見てもらえる可能性がある」と期待している。

 5回目の知事選に挑む無所属現職の福田富一(ふくだとみかず)氏(67)=自民、公明推薦=にとって、SNSは今回からの新たな試みだ。きっかけは新型コロナ。「地上戦をしたいが、人と接触がしづらい時期が続いた。SNSを活用せざるを得なかった」と担当者は話す。

 福田氏陣営は3つのSNSを使う。インスタグラムは柔らかい印象で人柄を伝え、フェイスブックは硬派な内容を-。各媒体のメインユーザー層を意識した投稿を心掛ける。ツイッターのフォロワーは1千人を超え、「徐々に浸透してきた」と担当者。ただ「今までに無い戦い方。まだ手探り感はある」と打ち明ける。

 ユーチューブには街頭演説などのハイライト動画を投稿する。「直接の訴えが1番だが、コロナ禍を考慮して、会ったかのような発信をしたい」と意気込む。

 「編集された動画は見やすい」。宇都宮市今泉町、大学4年中嶋珠李(なかしまじゅり)さん(21)は両陣営の取り組みを評価する。一方で「フォロワー数に対して『いいね』の数などが少ない。投稿がスルーされているのではないか」と発信力不足を指摘した。

 栃木市、作新学院大3年早乙女(そうとめ)千夏(ちなつ)さん(21)は「リツイートされる数が少ないため、候補者の投稿を知る機会がなかった。SNSをやっているとは思わなかった」と話した。