天然トラフグに包丁を入れる矢菅さん

天然トラフグを使ったコース料理

矢菅健さん

天然トラフグに包丁を入れる矢菅さん 天然トラフグを使ったコース料理 矢菅健さん

 銀座・みゆき通りの近くで、最高級の天然トラフグ料理を提供する。

 使うのは、大分、愛媛両県に挟まれた豊後水道(ぶんごすいどう)産のフグ。「他の天然物と比べても質が全然違う。うちは東京でも一番良い物を出していると思う」。足利市出身の店主矢菅健(やすげたけし)さん(71)は、そう胸を張る。希少な豊後産の中でも特に質が良い物を目利きし、熟成させてから提供しているという。

 コース料理では刺し身や鍋、雑炊、唐揚げなどを堪能できる。今月下旬からは白子焼き(時価)も食べ頃を迎える。フグ以外では旬に合わせてハモやウナギ料理を出す。スッポン鍋は年間を通じて提供している。

 10人きょうだいの9番目として育った。洋食店で働く兄がいたこともあり、幼い頃から料理人を志したという。足利大付属高を卒業後、岐阜県や大阪府などで修業。1976年、27歳の時に浅草で店を開いた。

 開業資金を銀行から借りるに当たり、三兄が保証人になったという。山口県や九州でフグが「ふく」と呼ばれることも踏まえ、感謝の思いを込めて三兄の名「福治(ふくじ)」を店名に付けた。

 現在地では17年前から営業。都内随一の有名店だが入りやすく、席の空き次第で当日予約にも対応する。「お客さんを区別したくないので。一見(いちげん)さんも歓迎です」。矢菅さんの飾らない人柄も店の魅力の一つだ。

 メモ 中央区銀座5の11の13 幸田ビル3階 電話03・5148・2922。午後5~11時。11~3月は年末年始を除き無休。4~9月は土日祝が定休、10月は日曜休。ふぐ料理は竹コースが3万2千円、松コースが4万円。

■店主の思い

 年に2~3回は帰っています。妹や友達も住んでいますし、足利の田舎の景色を見ると落ち着きます。栄えていた時期の足利を知っているので、今は寂れてしまってさみしく感じます。