僅差で否決された「大阪都構想」の住民投票、大接戦の米大統領選-。重要な選挙の度にインターネットを使った「操作」の有無を考えるようになった▼2016年の米大統領選や欧州連合(EU)離脱を決めた英国の国民投票に介入した英政治コンサルタント会社「ケンブリッジ・アナリティカ」(CA)。元社員クリストファー・ワイリー氏の著書「マインドハッキング」(新潮社)の邦訳が出版された▼CAはフェイスブック(FB)から大量の個人情報を入手。政府や民間業者のデータを組み合わせて、一人一人の詳細な情報を集め、ターゲットの性格に合わせた広告や動画を集中的に流し、投票行動を操ったという▼新型コロナによる自粛生活で、ネットで買い物をする人は増えただろう。ツイッターの投稿に「いいね」を押し、FBに自分の生活を紹介する-。こうした行動が個人情報になる。ワイリー氏は、ネットは「ある意味ではAの習慣についてA自身よりも熟知している」と書いている▼菅義偉(すがよしひで)首相は行政のデジタル化を看板政策に掲げる。マイナンバーカードの情報管理は大丈夫なのだろうか▼行政情報とネット情報を組み合わせれば、膨大な個人情報になる。それが利用され、気付かないうちに自分がコントロールされる。そんな時代を考えると背筋が寒くなる。