こんなに増えるとは思わなかった。投票終了時刻を公職選挙法が定める午後8時より早める投票所の数である▼県選挙管理委員会によると、15日投開票の知事選で830ある投票所のうち、繰り上げるのは13市町の358カ所。8市町170カ所だった昨年7月の参院選から倍増した▼投票率の低下に歯止めをかけようと1998年に2時間延長されたが、「特別な事情」があれば繰り上げは可能だ。茂木町が県内市町で初めて全投票所で行ったのが2016年。わずか4年で4割超に広がった▼理由として、延長したのに夜間の投票者が少ない、立会人の確保が難しい、といった声が聞こえてくる。期日前投票が浸透し、ショッピングセンターなど手軽に寄れる会場も増えた。経費節減にもなる。早めたい気持ちは分かる▼ただ一時、全投票所で繰り上げた群馬県は、同県選管が「有権者の投票機会を奪いかねない」と市町村に見直しを要請。同日選だった昨年の知事選・参院選では9割を切るまでになったが、依然高いとして今後も改善を求めていくという▼一票の重みを尊重した故の対応と言える。翻って4年前の本県知事選の投票率は33・27%で、3人に2人が棄権した。あまりに一票が軽くはないか。その重みを胸に、栃木の将来を見据え投票所に向かう県民の数こそ増やしたい。