手芸品の袋詰め作業をする田村さん(中央)ら宇都宮市シルバー人材センターの会員=9月中旬、宇都宮市中央1丁目

 コロナ禍の影響で、栃木県内のシルバー人材センターの受注件数や働く会員の数が減っている。県シルバー人材センター連合会のまとめによると、4~9月の6カ月間の受注件数は前年同期より2933件少ない3万7575件。9月末の会員数は9501人で前年同月より230人減った。感染時の重症化リスクが高いとされる高齢者。感染対策の徹底と仕事を通じた生きがい創出の両立に、各センターが苦心している。

 宇都宮市シルバー人材センター(同市中央1丁目)。手芸班の3人が、手編みした疫病退散の縁起物「黄ぶな」のストラップを袋詰めしていく。「最近はイベントもなくてあまり売れないの。それでもこうやってみんなと仕事できるのが楽しくて」。会員の田村淑子(たむらよしこ)さん(78)は笑顔を見せた。

 同連合会によると、シルバー人材センターは県内全25市町にある。入会できるのは原則60歳以上で、主な仕事は公園の清掃や草刈り、子育て支援、駐輪場の管理など。企業や家庭、公共団体など発注者からの依頼に対応し、会員は業務に応じて報酬を得る。

 緊急事態宣言下は会員の安心安全を守るため、宇都宮市や足利市などのセンターが新規の受注を自主的に制限。「外部の立ち入りを禁止している」といった理由で、発注者側から断られるケースもあった。

 4~9月の受注件数は宇都宮市が前年同期比774件減の3898件、那須塩原市は同497件減の2791件、足利市は同271件減の868件と軒並み減少した。臨時休業した飲食店がそのまま閉店するなどコロナ禍の影響は続いており、「受注の回復は鈍い」(同連合会)という。

 会員が働く目的は、経済的な理由だけではない。17年度の入会理由は男女ともに「生きがい・社会参加」が最多だった。仕事が減れば、高齢者が社会で活躍する場が狭まる恐れもある。

 県内の会員数は、高齢化に伴い2000年度末に1万人を突破。企業の定年延長などの影響で10年度末からは減少傾向が続き、17年度末に1万人を割り込んだ。本年度はコロナ禍が理由の退会者もおり、減少に拍車を掛けている。

 同連合会の町田隆之(まちだたかゆき)主査(45)は「会員数と受注件数の減少が続けば、運営が厳しくなるセンターも出かねない」と危惧。「感染対策を徹底しながら、活動の意義や魅力を広く伝えていきたい」と語った。