候補者2人の第一声演説内容

 栃木県知事選が告示された29日、元NHK宇都宮放送局長で無所属新人の田野辺隆男(たのべたかお)氏(60)は宇都宮市内で、無所属現職の福田富一(ふくだとみかず)氏(67)=自民、公明推薦=は大田原市内で、それぞれ第一声を放った。今後4年間の本県のかじ取り役を決める選挙戦で、両候補者は何から訴えたのか。発言内容を分析すると、田野辺氏は既存の政治や社会を変革する思い、福田氏は本県が抱える諸課題への政策に多くの時間を割いた。

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 田野辺氏は宇都宮市内の事務所で、7分40秒にわたって第一声を上げた。「素直に自分の思いを言いたくなった」と切り出すと、目指す政治の在り方や社会像について、全体の半分に迫る計3分33秒を割いた。政策への言及は、30%に当たる2分15秒にとどめた。

 政治の在り方には2分19秒(30%)を費やし、首長や業界団体トップなど一部有力者が政治を動かす現状を批判。「私たちの未来を選ぶ権利は私たちのものだ」と、市民の連帯による政治刷新を呼び掛けた。

 理想の社会像については1分14秒(16%)を充て、「栃木県は新しい社会や絆、共生のモデルになれる」などと語った。

 政策では1分を使って同性パートナーシップ制度の導入を説明。防災省の設置提言と誘致、自然エネルギーの活用、都道府県魅力度ランキングの最下位脱出もアピールした。

 福田氏は12分7秒をかけて、本県で懸案となっているさまざまな課題を列挙し、政策を訴えた。

 最長の3分24秒(28%)を使ったのは魅力度ランキング。「最下位となり、おわび申し上げる」と頭を下げた後、とちぎ未来大使や県民と協力し、北関東3県で連携する魅力発信プロジェクトを説明した。

 続いてイノシシやヤマビルなどの野生鳥獣対策に1分35秒(13%)を割いた。新型コロナウイルス対策は10%となる1分14秒。人口10万人当たり検査件数が全国9位となった検査体制や、医療提供体制の充実をアピールした。

 それ以外は1分未満で、地元を意識した施策を並べた。早急な道路整備や、農家での庭先保管が続く指定廃棄物の暫定集約実現への覚悟を述べ、昨年の台風19号の復旧復興では「来年は大田原で田植えができるようにする」と約束した。