展望広場から望んだ南摩ダム建設現場=28日午後2時、鹿沼市上南摩町(超広角レンズ使用)

 曲折を経た鹿沼市の思川開発事業(南摩ダム)は、年内にもダム本体工事に着手する見通しとなった。30年以上に及ぶ建設反対運動の末、代替地に移転した水没予定地の住民は「作ると決まった以上、一日も早く完成させてほしい」との思いを明かす。一方、ダム完成後の水道用水供給を巡り、栃木県内の市民団体は「水道料金が値上がりする」と警戒を強めている。

 事業は1964年、東京五輪の年に構想が表面化した。当時は高度成長期。東京への人口、産業集中に伴う首都圏の水不足対策として構想されたとされる。

 水没予定地の4地区のうち3地区は「絶対反対」、1地区は「条件付き反対」を掲げ、住民は激しい反対運動を展開。しかし、やがて補償交渉に応じ、2008年には全80世帯が鹿沼市内外への移転を終えた。