家庭で本格的なバーの味が楽しめるとして人気を集めた「宇都宮カクテル」シリーズ

 栃木県産果実などを使用し、贈答用などとして人気を集めたリキュール「宇都宮カクテル」シリーズが、県内の百貨店や土産物店などの売り場から姿を消している。2019年、製造していた酒造会社が事業を停止し、今年5月には販売元での取り扱いが終了したためだ。販売店などからは「残念」「また販売できる日が来てほしい」と惜しむ声が上がっている。

 宇都宮カクテルは酒類卸の横倉本店(宇都宮市)、荒牧りんご園(同)、鳳鸞(ほうらん)酒造(大田原市)の3者が連携して09年に発売した。イチゴの「とちおとめ」やリンゴ、ユズなど本県産の果実や野菜を使用した商品十数種類が誕生した。

 宇都宮市内のバーが加盟する「宇都宮カクテル倶楽部(くらぶ)」が監修した。バーでしか楽しめない色や味、香りといったプロの技を家庭で楽しめることから人気を集めた。また「カクテルの街宇都宮」をアピールする品として贈答品としても重宝された。

 19年に鳳鸞酒造が事業を停止して以降、販売店は在庫の販売を続けていた。同市本町の県アンテナショップ「おいでよ!とちぎ館」には、今月上旬まで店頭に並んでいた。運営する県観光物産協会の担当者は「カクテルと言えばこの商品なので残念だ」と惜しむ。

 宇都宮市宮園町の東武宇都宮百貨店宇都宮本店では9月に最後の1本が売れた。主に県外向けの贈答品として買い求める客が多く、洗練された瓶の見た目とカラフルな色合いが人気だったという。担当者は「新しい飲み方をお客さまから教わることも多かった。また販売できる日が来てほしい」と願っている。