都道府県魅力度ランキングで本県が初の最下位に転落した余波が続いている。29日に告示を控える知事選では、立候補を表明している新人の田野辺隆男(たのべたかお)氏(60)が福田富一(ふくだとみかず)知事(67)への批判を繰り返しており、争点の一つとなりそうだ。福田知事は東京都内のブランド総合研究所に調査の改善を「直談判」したが、県民からは評判がよくない。ブランド強化のため、本県の「とちぎ」表記を漢字表記に統一する方針を打ち出すなど新たな対策も検討している。関係者からは冷静に受け止め、PRの好機として活用するよう求める声も上がっている。

 「(茨城県の)納豆にイチゴが負けるわけがない」。田野辺氏は14日の順位発表後、街頭演説や会員制交流サイト(SNS)で現職の発信力を批判している。格好の“攻撃材料”を見つけた形だ。

 福田知事は最下位転落の反響を踏まえ21日に同社を訪れ、総合的な評価や調査方法の改善を申し入れた。報道陣には「県民の関心が高く、栃木県の価値を高めるため必要な行動」と意義を強調した。

 だが翌日、県庁には順位発表直後を上回る100件超の電話やメールが寄せられた。その半数が「知事が真に受けて抗議するのはおかしい」といった反対意見で、賛成は2割。知事を支援する自民党関係者も「あれはむしろイメージダウン」と苦々しく振り返る。

 宇都宮市内で25日に開かれた政治会合。福田知事は同社の田中章雄(たなかあきお)社長から、県内観光地との連携を強化し、「栃木」の表記を統一するようアドバイスを受けたことを明かした。

 その上で各地の観光ポスターに県名を入れてもらうよう依頼すると説明。ひらがなの県名表記が混在する県の各種計画やパンフレットは「漢字での統一を基本としたい」と語った。

 一連の動きに対し、関係者からは、冷静な対応を求める声が上がる。ある中堅県議は「発信力には改善の余地があるが、一民間企業が発表する『魅力度』を重く受け止めすぎではないか」と首をかしげる。

 「むしろ無料でPRできるいい機会」と笑うのは、宇都宮餃子(ぎょーざ)会の鈴木章弘(すずきあきひろ)事務局長(48)。同社が発表したご当地グルメ認知度では、宇都宮市が2年連続全国1位だったが「どの順位でも一喜一憂する必要はない。あくまで参考指標とし、県内ではなく、県外に目を向け、どう活用していくかが重要」と提案した。