建設が進む中山製菓の新工場=12日、佐野市

 昨年の台風19号で被災した県内中小企業を支援する県の補助金交付が進んでいる。16日時点で、施設や設備の復旧が対象の「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」(グループ補助金)は129件約20億1600万円、新設備導入などが対象の「地域企業再建支援事業費補助金」は94件約9億4100万円の交付が決定している。企業からは「大きな存在。本当に助かった」との声が上がる。

 新工場建設が11月の操業再開に向けて急ピッチで進む。中山製菓(東京都渋谷区)は唯一の生産拠点、佐野工場(佐野市大橋町)が秋山川の氾濫で泥水に漬かり、いまも操業不能だ。

 新工場は浸水した高さ1・5メートル分をかさ上げした。建設費には銀行からの融資と共に、交付申請したグループ補助金を充てる予定。松本正美(まつもとまさみ)専務は「ようやくここまで来た。一日も早くお客さまに商品を届けたい」と話す。

 グループ補助金は、中小企業がグループを組成し、復興事業計画の認定を受ければ、1事業者当たり15億円を上限に復旧費用の4分の3が補助される。県内では25グループが組成され、16日時点で214事業者が構成員に名を連ねる。

 グループの代表者は商工会議所や商工会が務めるケースが多い。中山製菓などとグループを組んだ佐野商議所の担当者は「本業の傍らで計画を策定するのは企業の大きな負担。復旧に向け地域が一丸となるための役割を担えた」と振り返る。

 地域企業再建支援事業費補助金は補助率3分の2以内で限度額は2千万円。金額はグループ補助金より少ないが、グループ組成の必要がなく、対象経費の範囲が広いことから「使い勝手が良い」(県経営支援課)とされている。

 やじま印刷(佐野市大橋町)は、両方の補助金を活用した。印刷機械のモーター修理などに加えて、新たな設備導入で製本業務を内製化した。矢島吉紀(やじまよしのり)社長は「補助金がなかったら大変だった。始まったばかりだが、今までできなかった事業に取り組みたい」と前向きに語る。

 補助金申請受け付けはともに9月25日で締め切った。県は今後、専門家派遣などで企業の経営をサポートしていく。

 県経営支援課の担当者は「新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちとなっているが、中小企業に元気になってもらえるよう支援を継続する」と話している。