友人に、在宅勤務になった夫の愚痴を聞かされた。狭い家で一日中オンライン会議をしているので家事がはかどらない、昼食の後片付けをしない、休憩していると冷たい視線を感じる-。「ストレスがたまる」と嘆いた▼新型コロナウイルスがもたらした生活の変化は、男性より女性の方が負の影響が大きいと言われる。友人とは「たまに息抜きが必要」と笑い合ったが、深刻な状況に陥っている人は本県でも少なくないはずだ▼心配される事案の一つがドメスティックバイオレンス(DV)である。県警が1~6月に認知した件数は前年同期より大きく減り、被害増の懸念は「本県では当てはまらなかった」とされる。ただ、認知に至らないケースが増えている恐れは拭えない▼コロナ禍の影響を把握しようと、宇都宮大ダイバーシティ研究環境推進本部の川面充子(かわづらみつこ)特任助教が県内在住の女性にウェブ調査の回答を呼び掛けている。調査は26日まで行う▼DVに限らず、収入は減ったのか、家事育児の負担が増えたか、どんな支援がほしいか。川面特任助教は「本当の声を聞かないと必要な支援は見えてこない」と力を込める▼苦境を救う手だてに漏れがあってはならない。女性がますます弱い立場に置かれたり、男女が共に輝く社会づくりが後戻りしたりしないよう、多くの声を寄せたい。