2018年度にわいせつ行為やセクハラで処分された公立小中高校の教師は過去最多の282人に上る。被害者の半数は教え子。表面化するのは氷山の一角だ▼政府が性犯罪や性暴力の根絶に向けて重い腰を上げ始めた。文部科学省はわいせつ行為で教員免許を失っても3年たてば再取得できる制度を法改正し、5年に延ばす規制強化を検討している。ただ、この案には「再取得を許すのか」と批判の声が上がった▼その後、文科省は新たに、教員免許の失効情報の閲覧システムを見直す方針を打ち出した。改善策は一歩前進といえる。だが「厳罰化」だけでは足りない。「一部の不心得者」を排除するだけでは駄目なのだ▼学校での性被害を「スクールセクハラ」と呼ぶ。性犯罪だけでなく、児童生徒が「嫌だ」と感じる行為も含む。子どもにとって教師は絶対的な存在。嫌なことも拒みづらい。そのため、教師は「子どもの権利」を侵害していないか、と常に振り返ってほしい▼もちろん、大半の教師は教え子のために懸命に働いている。だが、同時に「強い権力がある」という自覚を持つべきだ。そのための研修が必要である▼「つらい目に遭っても、子どもはなかなか話せません」。高校時代に被害に遭った女性は訴えた。学校が子どもの心を第一に考える場であることを強く願う。