昨年より1週間早い17日から点灯するイルミネーションを点検する従業員=12日、足利市

防水壁の工事を行う工事関係者=12日午後、足利市

昨年より1週間早い17日から点灯するイルミネーションを点検する従業員=12日、足利市 防水壁の工事を行う工事関係者=12日午後、足利市

 昨年10月の台風19号で甚大な浸水被害を受けた「あしかがフラワーパーク」(足利市迫間(はさま)町)は、被災した経験を教訓に、コロナ禍による入園者減への対策を進める。運営会社の足利フラワーリゾートの早川公一郎(はやかわこういちろう)社長(39)は常に「最悪」を想定し、従来の3分の2規模となる「入園者数100万人」でも収益が確保できるビジネスモデルの構築を急ぐ。

 同園は約9万4千平方メートルの園内全域が浸水し、一部の低地が水没した。泥を除去するなどして1週間後には再開したが、同時に復旧作業も進めてきた。このほか、水が押し寄せた西側を中心に約700メートルの防水壁設置工事に着手した。

 ただ台風による被災後、コロナ禍でインバウンド(訪日外国人客)や団体旅行客が途絶え、書き入れ時の大藤開花期(4、5月)に半月以上、休園した。2020年9月期の入園者数は前期の165万人から70万人に激減した。

 早川社長は「台風19号の経験でリスクへの向き合い方が180度変わった。常に最悪を強く想定するようになった」と話す。3月中旬の時点で、「危機意識を持つことができ、大藤開花期に休園することも事前に想定していた」。

 コロナ禍に対しては「社会が元に戻らないことが前提。企業そのものが変わらないといけないターニングポイントに来ている」とみている。従来と異なる経営環境に置かれていることから、主にインバウンドや団体客を除いた年間入園者数100万人を想定した新たな経営方針を打ち出した。

 同園のビジネスモデルは、大藤の時季に大きな収益を上げ、冬季のイルミネーションで集客する2本柱。「この二つ以外に集客できる柱を増やし、大藤とイルミネーションに頼らない仕組みとコンテンツを構築し、通年の集客底上げと安定化を目指す」と強調する。

 このため従業員の業務共有化を進めるなどして効率化や低コスト化を図る。電子商取引の強化により販売機会を増やすほか、飲食・物販など客単価アップにも取り組む。3~5年で実現させる考えだ。