農場で飼育する乳牛から搾乳する那須拓陽高生=9月下旬、那須塩原市石林

10月下旬に販売を開始する那須拓陽高A2ミルクのパッケージ=9月下旬、那須塩原市石林

農場で飼育する乳牛から搾乳する那須拓陽高生=9月下旬、那須塩原市石林 10月下旬に販売を開始する那須拓陽高A2ミルクのパッケージ=9月下旬、那須塩原市石林

 牛乳に含まれるタンパク質「β(ベータ)カゼイン」のうち、消化されやすいとされる「A2」の遺伝子のみを保有する乳牛から搾った牛乳「A2ミルク」を、那須拓陽高が今月下旬から商品化することが12日、分かった。同校によると、北海道で生産、販売している例はあるが本州では初めて。海外では通常の牛乳の価格の2~3倍で販売されている例もあり、同校は「牛乳に付加価値を付けられれば酪農振興に役立つ。知見を地域にフィードバックし、新たな酪農モデルにしたい」としている。

 同校によると、βカゼインタンパク質にはA1、A2の2種類あり、A1は消化不良の一因とされるが、通常の牛乳にはA1、A2双方が含まれている場合が多い。A2遺伝子のみを持つ乳牛から搾乳することでA2タンパク質だけの牛乳「A2ミルク」が生産でき、牛乳を飲んで消化不良を起こす人の悩みを解消できる可能性がある。ニュージーランドや米国などで普及しているという。

 関澤拓実(せきざわたくみ)教諭(32)は「牛乳を飲んでおなかを壊す原因は一つではないが、タンパク質が原因の場合もあり、そうしたケースに役立てたらいい。牛乳を飲む際の選択肢が広がれば」と期待する。

 同校はすでに、農業経営科が同校の農場で飼育する搾乳可能な25頭の乳牛の血液検査を行い、遺伝子解析を実施。うち、A2遺伝子のみを保有する乳牛は9頭に上った。

 1頭当たり1日約30キロの生乳が生産できるといい、今後、乳用牛と和牛の飼育を行う部活動「牛部」の活動や授業を通じて搾乳からパッキングまで行う。校内のほか那須塩原市内の道の駅で販売する方針。

 牛部の部長で農業経営科2年瀧蓮馬(たきれんま)さん(17)は「A2ミルクはまだ全国で普及していない。自分たちが絞った牛乳を販売することで期待と不安の両方があるが、一度飲んでみてもらい需要が高まるとうれしい」と話している。

 栃木県内では酪農業のYファーム佐野(佐野市)が年内を目途にA2ミルク生産の取り組みを進めるなど広がりつつあるという。